人生万事塞翁が馬。 でも、なんだかこんがらがってしまうことが多い日々。
           
畠中恵『おまけのこ』
2008年09月11日(木) 23:00
おまけのこ (新潮文庫 は 37-4)おまけのこ (新潮文庫 は 37-4)
畠中 恵

 ちびちび的プチ評
  おかしくも哀しい妖たちの魅力がいっぱいです。

新潮社 2007-11
Amazonで詳しく見る
by G-Tools


「しゃばけ」シリーズ第4弾です。

「気合いの入った」病人ぶりと言われるほど、
寝込んでばかりの若だんな・一太郎と、
兄やで妖の佐助と仁吉を中心にした短編集です。

人とうまく馴染むことができず、
逆に不幸をもたらしてしまうという狐者異(こわい)。
優しくして欲しいのに、みんなに嫌われてしまいます。
危険を承知でなんとかしたいと思った若だんなですが、
狐者異のいじけっぷりにはかないません。
あ〜、最近なんだか上手くいかない、って時には、
狐者異がそばにいるのかも?

ちびちびは「しゃばけ」シリーズをいつも文庫本で買うのですが、
この表紙や挿絵がとってもかわいいんです。
柴田ゆうさんという方がお描きになっているそうで。
お話にちなんだ妖たちが表紙にちらほらしていて、
微笑ましい。
で、今回の表紙には、白塗りのお化粧をして遊ぶ鳴家がいます。
それが、「畳紙」というお話しです。

いつもは若だんなの枕元にいる屏風の付喪神・屏風のぞきの
迷カウンセリングがみどころの一つ。
江戸で一番と呼ばれる厚塗り化粧のお雛。
このままでいいのだろうかと悩むところに屏風のぞきが現れ、
なんの因果かグチを聞くことになってしまいます。
最初はトンチンカンな対応でケンカしていた二人ですが、
とにかく、話を聞いてあげることという
カウンセリングの基本を押さえたところで、
お雛の心を解きほぐしていくお話しです。

他にも、一人だけ家をでてしまった鳴家の冒険譚や、
若だんなが吉原で芸者遊びをするという、
若だんなを知る人ならオドロキのお話も収録されています。

ほんわかとした雰囲気をもちながら、
現代人の迷いや悩みを鋭く映し出す「しゃばけ」ワールド。
なんといっても読後感がいいので、オススメです。



収穫祭
2008年09月10日(水) 21:52
趣味で畑をしている姉から連絡がありました。
「朝鮮かぼちゃがとれたけど、いる?」
じゃあ、ぜひ、と言っていたのが、
本日届きました。
それが、これ。

朝鮮かぼちゃ


あまりの大きさにびっくりしました。
ラグビーボールくらいあります。
大きさを感じていただきたくて、
ジャガイモと一緒に並べてみました。分かるかな〜。

「あんまり出来ひんと思ってたら、いつの間にかたくさんできてた」
と、姉の言葉。
以前にも、とっても苦いピーマンとか、
甘くないさつまいもとか送ってもらいましたが、
いったいどんな畑なのやら。
採れるものが極端ですね。

せっかくなので、友人に分けようかと思います。
日本人はあんまり朝鮮かぼちゃを食べたことはないでしょうから。
我が家の分は、ナムルとテンジャンチゲになりました。
姉ちゃん、ごちそうさま〜。
斎藤美奈子『文学的商品学』
2008年09月09日(火) 21:56
文学的商品学 (文春文庫 さ 36-6)文学的商品学 (文春文庫 さ 36-6)
斎藤 美奈子

 ちびちび的プチ評
  ここから始まる新たな世界がありますよ。

文藝春秋 2008-02-08
Amazonで詳しく見る
by G-Tools


商品情報を読むように、小説を読んでみよう。
という試みの文芸評論です。
川端康成から村上春樹まで、
近代から現代にかけての小説が取り上げられています。

文学における「モノ」の描かれ方がテーマ。
ファッション、食べ物、車から、
ホテル、バンド、野球に貧乏。
どれも斎藤さんらしい切り口で、
です・ます調のやわらかい文章に続く突っ込みにニヤリとさせられます。

バンド文学における限界や挑戦というのは、
なるほどそうだな〜と納得。
ファッションが分かってないことが丸見えな風俗小説。
ボンボンが勝手に苦悩する青春小説。
インテリゲンチャの屁理屈が綴られた貧乏小説。
読んだことのない本も多く紹介されていたので、
ぜひ読んでみたいと思わせてくれました。

その意味でも、
文学に対する敷居を低くしてくれる本かもしれません。

佐々木俊尚『Google 既存のビジネスを破壊する 』
2008年09月07日(日) 23:06
グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する  文春新書 (501)グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501)
佐々木 俊尚

 ちびちび的プチ評
  大革命が起きているんだ!ということがようやく分かりました。

文藝春秋 2006-04
Amazonで詳しく見る
by G-Tools


ちびちびにとってパソコンは仕事道具です。
こうしてブログを書いたり、HPの制作をしてみたりとかもしていますが、
グーグルの世界戦略!とか、
WEB2.0の革命!とか言われても、
それがナンなのかは、あんまり分かっていませんでした。
でも、
「何が分かってないのかが分からない」
ので、
どういう本を読めばいいのかも不明で。
難しいカタカナ語の専門用語が並んだ本なんかは
絶対、挫折しちゃうでしょうしね。

で、アートディレクターの佐藤可士和さんの本に、
ネットの今を知るならこれ!
と紹介されていたのが、この本だったのです。
読んでみて。
グーグルの革命とか怪物とか破壊ビジネスと呼ばれる意味が、
ようやく理解できました。

ただの検索エンジンだと思っていたグーグル。
それが広告のビジネスを変え、
中小企業の商売のあり方を変え、
そして今、「神」のような存在になりつつある。
そうした指摘が、
実際のビジネスのケースに合わせて紹介されています。

羽田空港近くの民間駐車場。
福井にあるメッキ工場。
大きくはないけれど、確実に需要はある。
これまでの宣伝方法では大きすぎて
無駄銭を使うしかなかったところが、
グーグルによって息を吹き返した、というお話です。

これが理解できると、
なぜ、
「今、もっとも検索されているキーワード!」
というサイトが出来るのかも分かってきました。
ホント、ビジネスのあり方が変わったんですね。今さらですが。

ここだけ聞くと、
ビジネス・チャンスのいい話にも思えますが、
グーグルの無邪気さが引き起こした恐ろしい側面にも
触れられています。
「グーグル八分」(はちふんじゃないですよ。村八分のもじりです)
「政治的配慮」
など、
ネット界の「神」になろうとしているわりには、
脇の甘さが目立つ組織の問題点も指摘されていて、
今後、社会はどうなっていくんだろう?
と考えさせられました。

ネット住人の方には、ぜひおすすめします。


畠中恵『ねこのばば』
2008年09月06日(土) 22:12
ねこのばば (新潮文庫)ねこのばば (新潮文庫)
畠中 恵

 ちびちび的プチ評
  「居場所」を求める人たちの頑張りが切ないです。


新潮社 2006-11
Amazonで詳しく見る
by G-Tools


ファンタジー時代小説「しゃばけ」シリーズの第3弾です。
今回も短編ミステリ集です。

相も変わらず臥せってばかりの若だんな・一太郎が、
妖や岡っ引きの旦那が聞き込んできた事実をもとに、
「布団の上」で推理を働かせます。

海苔屋で起きた殺人事件。
妖を見ることのできるかわいい迷子。
しかたなく連れてきてしまった下男の正体。
など、深刻な事件も妖たちが登場すると、
どことなくユーモラスな雰囲気が漂います。

若だんなのお守役の一人、
佐助こと犬神の過去も初めて語られています。
「佐助」という名前がずいぶんとなじんできたのは、
名前を呼んでくれる人がいるおかげ。
悲しい過去をもつ犬神が、
若だんなを大切に想う、その想いの強さに打たれちゃいました。

が。今度の巻では。
若だんなが幼いときの、ちょっとした出来事が、
女心にどれだけ響いていたのかが語られます。
女の子にとっては大事な大事な思い出なのに、
若だんなはすっかり忘れていて。あ〜、せつない。

無神経やワガママや妬みなどなど、
誰でもがもっている「負の側面」を
ガツンと見せつけられる。
そして、また若だんなは優しく成長していくんですね。
次の巻が楽しみです。

<<BACK   | HOME |   NEXT>>

Designed by GALPOP BLOG + GALPOP.NET