人生万事塞翁が馬。 でも、なんだかこんがらがってしまうことが多い日々。
           
乙一『ZOO1』
2008年05月02日(金) 23:33
ZOO〈1〉 (集英社文庫)ZOO〈1〉 (集英社文庫)
乙一

 ちびちび的プチ評:
  乙一さんの多彩な魅力に触れられます。

集英社 2006-05
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様々なジャンルの話を集めた短編集です。
現実から浮き上がったような少年の話もあれば、
現実から拒否され、生きるために逃げ出す少女の話もあり、
映像が目に浮かぶような詩的に美しい描写もあれば、
少々グロテスクなスプラッタ劇もある。
まさに、乙一さんのいろんな面を楽しめる一冊。

ちびちびが好きだったのは、
「陽だまりの詩」です。
人工的な森の中、廃墟の側にある小屋で暮らす男とロボット(?)のお話。

男は余命いくらもなく、
自分を埋葬してくれる「手」を必要としてロボットを製作します。
言葉を話し、コーヒーを淹れ、食事も作れるロボット。
でも、「命」については分からない。
想像力がないからブロックで遊ぶこともできない。
ところが、男と暮らすうち、ロボットに変化が訪れます。
そして、オドロキの結末。
生きることの切なさと、
人間の弱さが非常に上手くまとまっていて、
しみじみ余韻にひたりました。

ほか、双子の姉だけが虐待される「カザリとヨーコ」、
小学生の姉と僕が監禁されてしまう「SEVEN ROOMS」など、
どれも「生きる」意味をそっと問いかけてくる作品でした。
乙一さんデビューには
ここからがよかったんでしょうね〜。
それぞれ短いお話ですが、
ちゃんとどんでん返しも待っていて、面白かったです。
阿刀田高さんや星新一さんの流れを受け継ぐ人かも。
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