人生万事塞翁が馬。 でも、なんだかこんがらがってしまうことが多い日々。
           
李鳳宇『パッチギ!的』
2007年08月01日(水) 13:46
たぶん、今の日本で最も有名な映画プロデューサーであろう
李鳳宇さんの自伝です。

パッチギ!的―世界は映画で変えられるパッチギ!的―世界は映画で変えられる
李 鳳宇

 ちびちび的プチ評
  熱いおじさまが語る熱い現場の裏側がのぞけます。

岩波書店 2007-06
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「現在進行形の自伝」と帯にありましたが、
若い頃の話はかいつまんであって、
映画を配給し、創るようになってからのお話が
断然、面白いです。

友人から借金をしておこした「シネカノン」で、
初めて配給した映画がポーランド映画の『アマチュア』。
チラシやパンフレットが手作りなのは、
まぁ、文化祭的なノリでありそうなことですが、
なんとポーランド語の字幕まで李鳳宇さんの手製(?)なのだとか。
後日、この映画を映画祭で観ることがあり、
ご自分の訳のいいかげんさに恥ずかしい思いをされたとあります。

こうした失敗もありながら、
多くの人と出逢い、教えられ、支えられ、
今の「シネカノン」が出来上がったのだなということが
よく分かる一冊です。
そして、何かをやりたい!と思ったときには、
がむしゃらに突き進むことも必要なのだと。
ホント、何かをやりたい、創りたい、となったら、
ラクしてちゃダメなのですね。
汗かいて、走り回ること。そこで見えてくるものがあるはず。

ただ、李鳳宇さんご本人は、
あんまし「がむしゃら」な感じはしませんでした。
どっちかといえば、「飄々と」渡っていくよう。
以前、インタビューでお会いしたときの印象は、
そうでした。
映画作りは「戦場」ですから、
ギスギスしていない分、
内に秘めた「熱さ」が伝わるのかもしれませんね。

インディーズ制作の映画の難しさ、
それが成功したときの達成感、
読んでいてゾクゾクする快感があります。
これまでにお書きになった映画評とともに、
『パッチギ!』の下敷きとなったという
李鳳宇さんの短編小説まで収録されています。
映画好きにはお奨めの本です。



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