人生万事塞翁が馬。 でも、なんだかこんがらがってしまうことが多い日々。
           
篠田節子『アクアリウム』
2008年01月15日(火) 22:26
アクアリウム (新潮文庫)アクアリウム (新潮文庫)
篠田 節子

 ちびちび的プチ評
  いろんな要素がつまってますが、共感できるかは、?

新潮社 1996-07
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真面目で勤勉な地方公務員。
熱帯魚だけがオトモダチの長谷川正人は、
奥多摩の地底湖で遭難したダイビング仲間を探しに行きます。
仲間の恋人に頼まれて。
実は彼女は、正人が秘かに恋していた女。
断りきれずに向かった迷路のような湖で、
不思議な生物と遭遇します。

白い潜水艦のような生物=イクティに惹かれ、
奥多摩通いを続けるようになった正人。
そこで、道路建設と環境破壊に係わる運動に関わることになる。

最後に生き残った個体であるイクティと正人の、
静かで情熱的な交流シーンは、
自分の中で勝手に映像化されちゃうくらい見事な筆致です。
変化の少ない地底湖での命の受け継がれ方などは、
地球全体に広げてみても同じこと。
ちょっとホラーチックですが、
自然環境をいろんな側面からみることが出来るのでは、と思います。

で、水の中の話は、
穏やかな交歓にファンタジーを感じるのですが、
地上での話は超・現実的。
泥臭く、汗臭く、陰謀・策略渦巻く世界。
「小市民」の典型のようだった正人の狂気が、
どんどんと膨れ上がっていくところは別人?のようです。

「結局、それで何が変わるんだろう・・・」

そう思わずにいられないお話でした。

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