2007年10月09日(火) 22:54
![]() | てのひらの闇 (文春文庫) 藤原 伊織 ちびちび的プチ評: ![]() ![]()
くたびれててもやることはやる。 これが「オトコ」のロマンなのでしょうねぇ。 文藝春秋 2002-11 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
大手飲料会社の宣伝課長・堀江は、
2週間後にリストラ退職の日を迎えます。
そんな彼に、会長の石崎から
じきじきにCM制作の命令が届く。
実は、20年前、
堀江の過去や出自に拘泥することなく、
会社に引き入れてくれたのが石崎会長だったのです。
CM素材として、
会長から渡された「感動的シーン」の8ミリビデオ。
これが精巧なCGであることを見抜いた堀江が
そのことを告げた夜、会長は自殺。
納得のいかない堀江は、
会長を死に追いやったのは何なのかを探ろうとする。
40度の熱を押して動き回る中年オヤジの堀江。
優秀な部下で人妻の大原。
ユニークな六本木のバーの姉弟。
堀江に協力的な人たちも魅力的ですが、
バブル後の企業の内幕もおもしろい。
すでに「部外者」となった堀江の眼からみているので、
冷めているのに割り切れない思いが
人間的深みになっています。
サラリーマンに向かない男が、
20年もサラリーマンをやってみて、
感謝と退屈とをもてあそぶ。
リストラの後、堀江はどうやって、
この抜け殻を処理するのかな〜。
気力を無くしたオヤジが、
ヨレヨレフラフラになりながら、やることはやる。
決めるとこは決める。
ハードボイルドお決まりのパターンではありますが、
大企業の論理と大人の純愛で、
飽きさせない展開でした。




