2007年09月24日(月) 10:51
![]() | 生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891) 福岡 伸一 ちびちび的プチ評: ![]() ![]() ![]()
すんごいスリルでドッキドキ!文系の人でも十分読めます。 講談社 2007-05-18 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
書評などで話題だったこの本ですが、
理系全滅のちびちびには難しいだろうと
なかなか手が出せませんでした。
でも、思い切って読んでみたら。
すんごいおもしろい!!!
分子生物学というミクロの世界のお話が、
こんなにスリリングだとは思いませんでした。
遺伝子とかDNAとかゲノムとか言われると、
何がどう違うのかわかんなくなってしまう程度のちびちび。
それでも、十分ついていけました。
ただ、やっぱり一番、興味をひかれたのは、
世界初!の頂を目指して研究にあけくれる人たちの話です。
遺伝子の構造を明らかにしたい。
この願いのために、多くの人々が関わっていたのですが、
そこに起きる生臭い事件。
科学者だって人間だもん。
欲望と倫理に挟まれてしまうこともあるんですよね。
「世紀の大発見」は、
振り返ってみてそうだと分かるんであって、
当事者たちには、ただの実験結果でしかない。
あれとこれをどう結びつけるのか。
あと一歩、手を伸ばせば届くところにあるヒント。
この辺りの描写は、
下手な推理小説よりもドキドキさせられました。
この本のように、
「読ませる、読める科学の本」
は、なかなかないように思います。
それがどんだけおもしろい話でも、
専門用語を駆使して書かれたら、ちびちびにはお手上げ。
後半に入って、ちょっと難しい話が増えますが、
でも、福岡さんは、例え話が上手。
だから読んでいけるのです。
流動的で繊細な命のダイナミックさは、
砂上の楼閣に例えられます。
次々に砂が積み上げられ、吹き飛ばされていく。
構成する要素の全てが動いていながら、
形としては姿が変わらない。
ですから、半年ぶりに会った人に、
「あら〜、お変わりないですね」
と言ったところで、細胞レベルで見れば、
その人の中身は、大いに変わっているのだとか。
また、遺伝子構造に手を加えたノックアウト・マウスが、
すくすくと成長していく姿は、
テレビの基盤に例えられています。
一つの部品を壊したはずなのに、
相変わらず、鮮明な画像のテレビ。・・・なぜ?
研究者としての福岡さんの熱意と、
人間としての疑問と驚愕。
「見たこともない世界」の話なのに、
とても理解できる気がします。
生命とはなにか?
どれだけ科学が進んだところで、
生命のもつ繊細かつ柔軟な動きにはついていけない。
しかもそれは「私」の身体の中で起こっている。
なんだか「青い鳥」の物語みたいでした。




