2007年09月18日(火) 21:17
![]() | 1985年の奇跡 五十嵐 貴久 ちびちび的プチ評: ![]()
爽快な青春小説です。この時代を知ってる人には懐かしい〜。 双葉社 2003-07 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
1985年。
田中角栄元首相が脳梗塞で倒れたり、
中曽根首相が靖国神社を公式参拝したり、
電電公社が民営化されてNTTになったり、
男女雇用機会均等法が成立されたり、
日本航空123便が御巣鷹山に墜落して大惨事になったり、
阪神が優勝・日本一

になったり。
そんな一年でした。
この年、社会現象となったのが、
「夕やけニャンニャン」と「おにゃん子クラブ」。
ちびちびの周りでも、誰が一番かわいいとか、
誰それは性格が悪そうだとか、
いろんな話が飛び交ったものでした。
都立小金井公園高校の野球部でも同じです。
小説の冒頭で、メンバーが深刻なケンカをしていますが、
聞いてみれば、原因はおにゃん子クラブのこと。
バカバカしいと思うかもしれませんが、
ホントにこんなこともありましたね、この頃。
じゃんけんで負けてキャプテンとなったオカですが、
別に熱血
野球少年てわけではありません。
成績も悪くて最下位クラスに割り振られ、
野球の試合でも勝ったことがない。
そんなダメダメ・オカの元同級生・沢渡が転向してきたことで、
事態は大きく変わっていくのです。
沢渡は超高校級のピッチャーで、
野球の名門校に進学していたはずでした。
ムリを押して「三多摩で一番弱い」野球部に引き入れ、
ひょんな偶然からかわいい女子マネージャーまで入部。
これまでは、テキトーに練習して、
4時になったらおにゃん子を見るため急いで帰るような
野球部のメンバーでしたが、
夏の大会で初めての勝利を手に入れます。
もちろん、それは文字通り、
沢渡くんただ一人の活躍によるものなのですが。
が、満を持して臨んだ準決勝。
相手校の卑劣なヤジで沢渡くんが挫折。
試合にも負けてしまいます。
しょせん、自分たちが勝つなんて有り得なかったこと。
でも、彼らのやり方は許せない。
そして、彼らのリベンジが始まるのです。
「もう言い訳するのも飽きたしな」
というメンバーの言葉が、
高校生のものとしては、とても重く響きます。
恋愛も大事で、友情も大事で、
学校なんてどうしようもなくて、
尾崎豊にシンパシーを感じた時代の少年たち。
最後のどんでん返しには、う〜騙された!
一つの時代をしっかり小説の中に写し取っていて、
とても楽しく読めました。
が。
これ、オーバー35向けかもしれませんね。
20代以下の人には、
冗談もユーモアも通じないかも!?
いや、こんな時代があったのですよ〜。




