2007年09月03日(月) 21:32
![]() | 王様は裸だと言った子供はその後どうなったか (集英社新書 405B) 森 達也 ちびちび的プチ評: ![]() ![]()
鋭い指摘とユーモア。笑いながらも、ハッとさせられます。 集英社 2007-08 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
映画監督でドキュメンタリー作家の森達也さんが、
子どもの頃から気になっていたことは、
タイトルそのままズバリ、
「王様は裸だと言った子供」のその後だそうで。
「王様ったら裸だよ!だっておちんちんが見えてるよ!」
と言ってしまった翌日からが
森さんの創作です。
この子は自分と同じ「鈍い子」なのでは?
という切り込みから、現代社会を痛烈に皮肉ってあります。
他にも、
桃太郎や仮面ライダー、蜘蛛の糸にドン・キホーテと、
誰もがよく知っている物語がパロディ化されていて、
「毒
」たっぷりのお話がいっぱいです。
新橋の居酒屋でショッカーが
ホッピー飲みながら愚痴ってるなんて・・・アハハハハ!
一方で、首領は資金繰りに頭を悩ませてる。
でも笑い事ではないのです。
なんたって、
自爆装置を埋め込む手術を受けようとしているのですから。
お金のために。そして、愛する家族のために。
映画監督らしく、
カメラ位置の切り替えによって、
見える風景がまったく変わる。
ってことなんかも「お話」として示してくれています。
「知る権利」を振りかざし、
自らを「正義」としてしまうメディアの横暴さ。
一点集中のリスク・パラノイアによって、
他のことが目に入らなくなることの危険性。
などなど、
現代日本の抱える社会問題が、森さん流に料理されています。
が、実は森さんがこの本を書こうとしたきっかけは、
太宰治の『お伽草子』という本だったとのこと。
言論や表現への統制・検閲が
強化されつつあった時代に、
それでも太宰が表現しようとしたもの。
あの頃と似た空気が漂う今だからこそ、書いてみたい。
そんな思いがつまっています。
「戦後レジーム」からの脱却!
「うちゅくしい国」をちゅくろう!
と叫ぶおぼっちゃまに思考停止されそうだけれど、
現実を見る目は失っちゃなりませんね。
最近では、
「ボクちゃんは悪くないのに〜
」
と口がとんがってますが。




