2007年09月02日(日) 11:21
![]() | クレオパトラの夢 恩田 陸 ちびちび的プチ評: ![]()
「ない」のか「ある」のか。 見方次第でクルクルかわる世界をうつしています。 双葉社 2003-10 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
『MAZE』の主人公、神原恵弥が再び登場します。
今度の舞台は北の街・H市。
双子の妹の和見を連れ戻そうと訪れた早々、
恵弥は、和見の不倫相手だった若槻博士の事故死を知らされます。
弁護士として明るい未来をもっていたはずの和美。
婚約破棄までして恋に落ちたのが、
妻子もちの若槻博士だったのです。
都落ちした博士を追うようにしてH市に移った妹の身を案じる兄。
ここまでならホームドラマのような展開ですが、
実は恵弥には、もう一つ重大な任務がありました。
それは「クレオパトラ」と呼ばれるものを手に入れること。
彼本人にも正体がよく分かっていないのですが、
「クレオパトラ」に引き寄せられるように
物騒な人物がH市に集まってきます。
若槻博士の死は、本当に「事故」だったのか。
失踪した和見と、博士の妻との本当の関係は。
親切な紳士に見えた多田は何者なのか。
そして、「クレオパトラ」とは?
謎が謎をよんで、
恵弥の推理が冴えわたる!はずだったのに、
どうにも空回りしてしまいます。
『MAZE』では、
相棒のはずの満を煙に巻いていましたが、
今回は、恵弥の頭の良さと深読みが裏目に出てしまう。
煙のないところに煙をおこして、
一人「火事だ!」と騒いでいるようなものです。
人の噂、危機管理、疑心暗鬼。
訳が分からず引き回される恵弥と一緒に、
ゾワゾワと恐さを味わいました。




