2007年08月29日(水) 13:08
![]() | 犯人に告ぐ 雫井 脩介 ちびちび的プチ評: ![]()
事件の捜査と報道のあり方を考えさせられました。 双葉社 2004-07 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
神奈川県警の警視・県警本部捜査一課の特殊犯係の巻島史彦警視は、
児童誘拐事件の犯人を取り逃がしたという過去を持っています。
おまけに被害者は死体で発見され、
同時期、自分の娘は出産後に危篤におちいってしまう。
記者会見にのぞんだ巻島は、
記者たちの追及に暴言をはいて、左遷されます。
息子を失った親と、
かろうじて娘を取り戻した巻島。
2人の親心が、後々への伏線となっています。
6年後、横浜で起きた連続幼児殺人事件の担当者として、
上層部に呼び戻された巻島には、
ある「ミッション」が言い渡されます。
それは、捜査本部の責任者として、テレビに出演すること。
捜査の進展を語るとともに、
視聴者からの情報を呼びかける。
という予定だったのですが、
放送を重ねるごとに、
警察内部も、番組制作者も、思惑がゆがんでいくことに気付きます。
でも、事件の犯人と巻島には、細い糸が生まれる。
なんとか糸を手繰り寄せたい巻島と、
警察内部の足の引っ張りあい。
メディアの取材合戦。
6年前の「痛み」が乗り越えられないままの巻島と、
彼を懸命に支える部下の津田。
物語を支える人物が、
奥深く描かれています。
「悪人」役が、ちょっとステレオタイプな気もしますけど。
「犯人探し」のミステリーを期待して読むと、
ハズレかもしれません。
が。
中間管理職の悲哀、組織と個人のあり方、
テレビの影響力などなど、骨太なお話です。
10月には豊川悦治主演で映画が公開されます。
映画の公式サイトはこちらです。 犯人に告ぐ http://www.hannin.jp/




