2007年08月28日(火) 13:31
![]() | 梅咲きぬ 山本 一力 ちびちび的プチ評: ![]() ![]()
江戸の料亭版「おしん」といえそうな、明るく切ないお話です。 潮出版社 2004-12 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
一力作品のあちらこちらに登場する、
深川の料亭・江戸屋の女将「秀弥」の物語です。
3歳で踊りの師匠・春雅に弟子入りした玉枝。
長じてから4代目秀弥を名乗ることになります。
まだまだ子どもですが、
三味線の組み立てや稽古場の拭き掃除など、仕事はいっぱい。
でも手抜きをすれば、容赦ない叱責が飛びます。
「その年で楽なことを覚えたらあきまへん。」
うう〜。
ちびちびには無理ですな。
なんで私だけがこんな目に・・・
と思っちゃう。
いえ、玉枝ちゃんだって思うには思うのですが、
「自分を哀れんで泣くのは、毒」
という師匠の言葉を思い出して、涙を抑えるのです。
自分を哀れむのは卑しいとのこと。
きびち〜。
師匠の春雅をはじめ、夫の福松、店の下足番の仲蔵、
鳶の政五郎などなど、
玉枝の周りにはかっこいい大人たちがいます。
何がかっこいいって、
江戸っ子の気風のよさだけでなく、
玉枝を良家の子女として猫かわいがりする、なんてことがないのです。
時には、厳しく突き放す。
子どもにはまだ理解できないようなことでも、
きっちり道理をふんで説明する。
玉枝は彼らの教えをしっかりと胸に受け止めて成長します。
物語を通して描かれるのは、
老舗ののれんを守る重さと、
人の上に立つ者としての心構えです。
そのために、玉枝は子どもらしい遊びを楽しむこともなく、
生涯にたった一度の恋も叶うことはない・・・。
個人の生き方を尊重する、
という価値観で育ったちびちびには
ムリ
と思います。
が。
今の政治が取り組もうとしている教育「改革」。
ちびちびにはとても違和感がありますが、
この本を読んでいて思いました。
足りないもの、全部書いてありますよ、ここに。




