人生万事塞翁が馬。 でも、なんだかこんがらがってしまうことが多い日々。
           
山本一力『赤絵の桜』
2007年08月14日(火) 21:23
赤絵の桜 損料屋喜八郎始末控え (損料屋喜八郎始末控え)赤絵の桜 損料屋喜八郎始末控え (損料屋喜八郎始末控え)
山本 一力

 ちびちび的プチ評
  もっとヤキモキ焦らして欲しかった!

文藝春秋 2005-06-28
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『損料屋喜八郎始末控え』
の続編です。
損料屋(家財道具のレンタル屋さん)は
喜八郎の仮の姿とはいえ、
商売も調べの仕事も忙しそうな毎日。
前作ほどの骨太感はないけれど、
相変わらずの米屋政八のヘタレぶりが笑えます。

今度は、喜八郎のお仲間にもスポットがあたって、
昔の女が調べ先と関係していたり、
十数年ぶりの娘との再会にうかれたり、
なかなか賑やかな構成です。
なかでもおもしろかったのは、「逃げ水」。
前作で江戸追放となった笠倉屋の意趣返しに、
さすが「大店の主人」と呼ばれただけある!
と、感心しました。
やり返すためにもハンバじゃない金を使うのです。
これぞ、江戸っ子の「見栄」なんですかね。

いつも喜八郎にへこまされる政八と、
よくも悪くも張り合ってきた伊勢屋が首謀者となり、
喜八郎を騙ろうとするラストは、ちょっと見ものです。
あこがれの江戸屋秀弥さんとの
がからんでいるのですが。
ここまでいくまでに
秀弥さんがあんまり登場しないので、
ちびちび的に盛り上がりに欠けたきらいはあります。
せっかくなので、も少し、ヤキモキしたかったな〜。

とはいえ。
棄捐令によっておきた大不況の江戸の街。
雨風に一喜一憂する庶民。
この時代に生きる人たちの力が、
よく伝わってくる作品でした。
作中、新規オープンで評判をよんだ
「ほぐし窯」という風呂屋がでてきます。
12人が一度に入れる風呂が7つあり、
休憩所もあるのだとか。
行ってみた〜い。ほぐされた〜い。


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