人生万事塞翁が馬。 でも、なんだかこんがらがってしまうことが多い日々。
           
山本一力『だいこん』
2007年08月02日(木) 17:52
女一代で、一膳飯屋「だいこん」を築き上げた
つばきの物語です。

だいこんだいこん
山本 一力
 
 ちびちび的プチ評
  つばきの炊いたご飯を食べてみた〜い!

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浅草から深川へ移って、新しくお店を始めようとする
つばきの回想で物語りは進みます。
はじめは、
「なんと負けん気の強い、無鉄砲な人なの
とびっくり!
読み進むにつれ、つばきの強さと孤独に胸を打たれました。

つばきがまだ子どもの頃に、
賭場に借金を負ってしまった父の安治。
母のみのぶも働きに出ることになり、
家事も妹・さくらの面倒も一手に引き受けることになります。
それでも、大工職人としてかっこいい父が大好きで、
そば屋の仲居をする母の姿に憧れをもちます。

そして洪水で街が水浸しになった後の炊き出しで、
つばきの「飯炊き」の才能が開花。
腕を見込んだ火の見番小屋のまかないを、
なんと9歳でまかされるようになるのです。
たぶん、数え年での設定なのでしょうが、
数えの9歳なんて、小学校低学年でしょう。
そんな小さな子が、
飯炊きの火加減の絶妙さはもちろん、
出入り職人のお茶の好みまで覚えてしまうだなんて!
つばきちゃん、「おもてなし」の天才です。

つばきは商才にも恵まれて、
17歳で一膳飯屋を開業します。
いろんな人から支えられ、商いを大きくし、
人定めのコツ、人使いのコツ、商売の仁義を学んでいくのです。
気は強いけれど、
人に詫びるところは素直に頭を下げる彼女を、
思わず応援したくなります。

子どもの頃から一家を支え、
妹の縁談、親の老後の心配など、
つばきには自分のことを考えるヒマもない。
誰かに甘えることもできない。
借金もなくなったし、父の稼ぎも並以上なのだから、
そこまでがんばらんでも・・・
と思うのですが、商いが大きくなればなるほど、
そこで働く人たちへの責任も生じる。
そして、働く場が、
人に生きがいを与えることもあるんだなぁ。

25歳になっての新天地での、つばきの挑戦。
その後も、ぜひ読みたいなと思いました。
江戸時代の庶民の暮らしぶりが
よく分かる「生活史」のようでもあります。
ただ、金銀と銭の換算がややこしい・・・。

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