人生万事塞翁が馬。 でも、なんだかこんがらがってしまうことが多い日々。
           
井上夢人『メドゥサ、鏡をごらん』
2007年07月26日(木) 23:05
岡嶋二人から独立した井上夢人さんの小説です。
まず、表紙が怖い。
ホラーというか、ミステリーというか・・・
とにかく、とっても怖かった。

メドゥサ、鏡をごらんメドゥサ、鏡をごらん
井上 夢人

 ちびちび的プチ評
  読み終えると、ひんやりして、人生無常とむなしくなります。

双葉社 1997-02
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作家の藤井陽造が自殺したところからお話は始まります。
自ら身体をコンクリートに固めてしまうという
異様な方法での自殺。
唯一、手に持っていた小瓶には、
「メドゥサを見た」
と書かれていました。

藤井の一人娘・菜名子と、その婚約者は、
200枚は書かれたはずの遺稿を探すことにします。
それを読めば、なぜ父が死を選んだのか分かるかも、
というのが菜名子の願いだから。
化学工場の事故、謎の多い石海の街。
だんだんと分かってくるにつれ、
婚約者の身にも不可思議な現象が起こるようになります。

「知らんでいいものは、知らんほうがいい」
そう忠告されながらも、
婚約者の「知りたい」という熱は冷めません。
そして。
ようやく見つけた遺稿の恐るべき内容。
23年前に起きた事件と50人近くもの人の死。
とうとう、婚約者の前にも「メドゥサ」が現れ・・・。

消えた一日。記憶が溶けてしまうような感覚。
思わず、岡嶋二人最後の作品となった『クラインの壺』を
思い出しました。
でも、こちらのお話は入れ子になっていて、
箱のフタを開けて底が見えてきた、と思ったら、
それは次のフタを開けることになって、
いつしか次のフタが本体を飲み込んでしまう。
そんな不条理な終わり方をします。

こんだけ人が死んだ話を聞かされたら、
迷信とかたたりとか信じない人でも
ちょこっとくらいは疑うのでは?
と思います。
が、ちゃんと、前半でその伏線はあったのですね。

藤井陽造は超常現象を信じない。

おぉ〜、そうだった。
最初から読み直したくなりましたぜ。




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