人生万事塞翁が馬。 でも、なんだかこんがらがってしまうことが多い日々。
           
梨木香歩『家守綺譚』
2007年07月08日(日) 21:32
「ほんの100年少し前」の物語『家守綺譚』を読みました。
梨木さんの小説はどれも、
とても心優しい物語で大好きです。
全作品制覇に向け、本探し中。
これもようやく見つけて、あっという間に読了しました。

家守綺譚家守綺譚
梨木 香歩

 ちびちび的プチ評
 琵琶湖湖畔が舞台の不思議小説です。

新潮社 2004-01
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亡くなった友人の父から頼まれて、
古い家の住み込み管理人=家守となった綿貫征四郎。
家の掛け軸からは、
亡くなったはずの友人・高堂があらわれ、
小鬼、人魚、河童などいろんな生き物が登場します。
彼を訪ねてくるのは、
隣のおばさん、お寺の和尚、薬屋、後輩の山内。
「生」あるものと、「異界」のもの、
その橋渡し的役目をしているのが犬のゴローです。

征四郎は、明治時代の田舎町で、
文章を書きながら貧乏生活をしています。
「精神労働者」との表現がありますが、
彼の心のアンテナは広くて、しかも柔軟。
掛け軸からボートに乗って友人がやってきても、
かける言葉が

「逝ってしまったのではなかったのか」

ですもん。
「異界」を怖がらずに受容することで、
世界は広がっていくのでしょうね。

毎日、ブラブラ散歩して、昼寝して、和尚と碁を打って、
狸にばかされたり、百日紅に惚れられたり。
昨今、流行の「スローライフ」を地で行くような征四郎。
決して、なにか積極的に行動をとる人ではありません。
で。
ちびちびは征四郎のような人を見ると、
ついつい構いたくなってしまいます。
ううっ、お節介の虫がうずく〜
でも、ちょうどいい加減で距離感を保つというのは、
ホントに難しいことだなと思います。
征四郎と高堂の友情、ゴローとの信頼関係を見ながら、
そう実感しました。

この本、章のタイトルは、
すべて草木の名前になっています。
知らない花もあったので、図書館の図鑑で調べました。
こういうのもまた、楽しい時間です。


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