人生万事塞翁が馬。 でも、なんだかこんがらがってしまうことが多い日々。
           
梨木香歩『りかさん』
2007年07月03日(火) 23:10
大人が読んでも楽しいファンタジー小説
梨木香歩さんの『りかさん』。

りかさんりかさん
梨木 香歩

 ちびちび的プチ評
  とっても優しい気持ちになれるお話です。
新潮社 2003-06
Amazonで詳しく見る
by G-Tools


おひな祭りのプレゼントに「リカちゃん人形」を
おねだりしたようこでしたが、
おばあちゃんから贈られてきたのは、
黒髪の市松人形。
その人形の名前が「りかさん」というのです。
ひそかにがっかりするようこですが、
おばあちゃんやお母さんを悲しませてはいけないと気を使います。
この子供心が切ない。
子どもってホントに敏感に大人の心を察しますもんね。

で、このりかさん。
なんと説明書もついているのです。
朝は髪をとかして着替えをさせ、
ようこの食べるものを少しずつ分けてあげ、
夜になると寝巻きに着替えさせる。
おばあちゃん曰く、
「りかさんを幸せにする責任がある」
とのことなのです。

この言葉の意味は、
りかさんと心が通わせられるようになったようこの、
人形をめぐる事件で明らかになっていきます。
世の中には、なんと不憫な人形の多いことか・・・。

生身の人間の身代わりに、
さまざまな「思い」を引き受けてくれる人形。
たくさんの種類の人形が登場するので、
それを読んでいるだけでも楽しいです。
そしてそんな人形たちの辿ってきた歴史と思いを
代弁する形となるおばあちゃんの言葉が、
しんみりと心に沁みてきます。

ちびちびが子どもの頃、
大事にしていたのは「トラ吉」というぬいぐるみでした。
名前の通り、トラでしたが、
今思うと、猫だったのかも。
なぜか子どもの頃も、今も、
「人の形」をしたものは怖くて近づけません。
だから逆に、
この本を読んで気付いたのです。
「声」が聞こえそうな気がしたからかも、と。

『りかさん』に登場するようこが成長して、
『からくりからくさ』というお話に続いていきます。
そして『からくりからくさ』の続編である
『ミケルの庭』は、
『りかさん』の文庫版に収録されています。
あっちゃこっちゃ行ってしまいますが、
どこから読んでも楽しめますよ。

 | HOME | 

Designed by GALPOP BLOG + GALPOP.NET