人生万事塞翁が馬。 でも、なんだかこんがらがってしまうことが多い日々。
           
仙川環『感染』
2007年06月22日(金) 16:17
新聞記者から作家になった仙川環さんのデビュー作、
『感染』です。
第一回小学館文庫小説賞受賞作品。

感染感染
仙川 環

ちびちび的プチ評
テーマが重い割には、メロドラマチックな展開です。

小学館 2005-08-05

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臓器売買や異種移植など、
医療関係の取材を重ねてきた著者ならではのテーマなのでしょう。
そこに、上昇志向の強い研究者の姿、
保身しか頭にないトップ、
そして夫婦愛や家族愛を絡めて描いてあります。

これがハリウッド映画だったりすると、
主人公は全てを自分の手で探り、真実にたどり着き、
それを明らかにするかどうかでエンディング。
となりそうです。
が、この小説は違います。
謎を追いかけるよりは、
夫の愛情を確認したくて悩んだり探したりしているうちに、
夫が死んでしまう。

今度は職場の人間関係にいらだったり、
夫の最期の言葉を信じたいと悩んだりしているうちに、
事態は大きく動き出す・・・。
「謎解き」は、すべて「外」からやってくるのです。
う〜ん。
ミステリの醍醐味が抜けちゃっているせいでしょうか。
なんとなく物足りない気がします。

ただ、テーマはとても痛くて切実です。
我が子が助かる道がそれしかないのなら、
という究極の選択をせまられているのですから。

臓器移植という医療倫理に関わる問題。
そこに不正がからめば、
積み上げてきた研究はパーとなり、
移植を待つ人にも絶望的な状況が作られてしまう。
それを作り上げるのは、
センセーショナルな報道方法が好きなマスコミなのでしょうけれど。
その辺りの描写は、さすがにリアルなものがありました。

小説の中にも少し触れられていますが、
「遺伝子組み換え」植物を原料にした食品類があります。
これらを口にするのは、やっぱり怖いですな。




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