人生万事塞翁が馬。 でも、なんだかこんがらがってしまうことが多い日々。
           
志水辰夫『行きずりの街』
2007年06月11日(月) 23:27
日本冒険小説協会大賞受賞作で、
1991年の「このミステリーがすごい!」第一位だったという
『行きずりの街』です。

行きずりの街行きずりの街
志水 辰夫

ちびちび的プチ評
ぼんやりしたハードボイルド、てな感じ
新潮社 1994-01

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都内の名門女子高の教師が、
教え子との恋愛・結婚をスキャンダルとされて追放される。
という過去をもつ男・波多野先生が主人公です。
故郷の田舎町で塾講師をしている彼は、
失踪した塾の教え子を探しに十数年ぶりに東京へやってきます。
そこで、この事件に、
かつての勤務先が関係しているという事実を知る。
尊敬していた教育者の哀れな姿、裏金、暴力、孤独な闘い。
といった、ハードボイルドな要素はそろっていて、
元妻との再会→やり直そう!という辺りも含めてあって・・・。

でも。
なんだかぼんやりしている感じがぬぐえませんでした。
主人公の「生きる力」のなさ、なんでしょうか。
塾講師でそこそこやっていけている環境でありながら、
過去をひきずってなげやりな状態にある。
というのは、
ハードボイルド好きにはパターンなのでしょうが、
どうにも切実さが感じられないのです。

どうしても、教え子を連れ戻したい。
どうしても、自分を追い出した連中に一矢報いたい。
そして、元妻とやり直したい。

ストーリー的には、
この3つをおさえるために彼は奮闘しています。
そのはずなのですが、
目的がはっきりみえない気がするのです。
鼻が折れ曲がるほど殴られてますけどね。
代わりに、主人公のナルシシズムを感じました。

「オトコ」の小説なのですかね。
ちびちびには受け付けられませんでした。



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