人生万事塞翁が馬。 でも、なんだかこんがらがってしまうことが多い日々。
           
山田悠介『リアル鬼ごっこ』
2007年05月11日(金) 22:16
でぶりんに、
「お風呂で読むのにちょうどいいよ」
と勧められて、『リアル鬼ごっこ』を読みました。
2週間以上かかりました。
あぁ、疲れた、というのが一番の感想です。

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山田 悠介

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設定自体はとてもおもしろいものです。
西暦3000年のとある王国、といっても、
横浜や大阪といった地名がでてきますので、
未来の日本を舞台にしたものではあるのでしょうが。
その王様が、
「自分と同じ”佐藤”の苗字がいっぱいいるのは許せない!」
と言い出したことから、国をあげての鬼ごっこが始まる。
短距離で全国一位の記録を持つ主人公の佐藤翼は、
一週間の鬼ごっこを逃げ切れるのか、というお話です。

でもね。
はぁ〜、気の毒なくらいに文章力がない。
読む者を物語に引き込む力がないのです。
この作家は、
2時間もののサスペンス・ドラマしか観たことないんじゃないか?
と思って解説を読むと。やっぱり。
これまで本を読むことも、文章を書くことも、
ほとんどなかったのだそうで・・・。

ステレオ・タイプな母との別れ、父の最期。
「ただの一戸建て」、「閑静な住宅街」、「今風の若者」、
といった具合で、表現力もない。
住宅街ってね。その気になってみてみると、
街のカラーがとてもでているものです。
一戸建てと一口に言ってもね。
建売なのか、注文住宅なのか、新築なのか、ボロ家なのか、
くらいは書き込まないと・・・苦しすぎます。

ひょっとして、今の時代の暗喩なのだろうかと、
読みながら考えましたが、どうもそういう意図もなさそうで。
先日どこかの新聞で、
「今は胃もたれしない小説が受けている」
と書いてあるのを読みました。
確かに、流行のケータイ小説も、
浅すぎて、ちびちび的には読むに耐えません。

こうした小説を楽しめる10代から20代の人たちが、
「活字慣れ」するならば、
それも意味のあることかもしれない。
でも。
彼らが平家物語や、太宰治や、ドストエフスキーといった、
重厚な作品を読めるのでしょうかね。
胃もたれどころか、
30回は噛まないと、飲み込めませんよ!

20年後には。
日本の「文学」はなくなっているんじゃないかと、
そっちの方が、よっぽどリアルで怖かったです。


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