人生万事塞翁が馬。 でも、なんだかこんがらがってしまうことが多い日々。
           
アース
2008年03月10日(月) 23:15
アース

でかいっ! ちびちび的プチ評
  地球は美しい。母は偉大なり。


ジャンル : ドキュメンタリー
製作年  : 2007年
製作国  : ドイツ=イギリス
配給   : ギャガ・コミュニケーションズ
上映時間 : 96分
あらすじ :50万年前、まだ若い地球に巨大な隕石が衝突した。その影響は大きく、地球の地軸は23.5度も傾いてしまう。しかしこの傾きがあったからこそ、地球には四季のうつろい、寒暖の差、そして生命が生み出されることになったのだ。そんな傾きと太陽の光が作り上げた地球の姿を、北極から南極へと旅をしながら見ていこう。まずは北極に住むホッキョクグマの親子の様子から……。(goo映画より)

地球って大きい。
地球って美しい。
そして、地球って厳しい。

今、私たちが愛でている自然の美しさは、
50万年前に巨大な隕石が衝突して、
地球の地軸が23.5度も傾いてしまったからだそう。
これによって、
地球には四季ができ、寒暖の差がうまれ、
そして生命が生み出されることになる。

北極から赤道を通って南極まで、
地域によってまったく違う世界が広がります。
そして、その地で生きる生物たちが紹介される。
動物たちの姿が見ていてとても楽しいです。

歩いていて木にぶつかる子ゾウ、
やっと水辺にたどり着いてはしゃいでいる。
獲物を追い掛け回してようやくつかまえた狼、
はぁ〜、疲れたと言っているのが感じられます。
高い木の上にある巣から巣立つオシドリの雛、
飛ぶ、というよりは落ちるという感じで、もう二度と巣には戻れない。
こんなシーンが、よく撮影できたものだと感心しました。

表情豊かで、かつ、生きることに必死です。
狩りのシーンで繰り広げられる「真剣勝負」ぶりに比べて、
私はなんて安穏と生きているのだろう・・・と、
ちょっとへこみましたけど。

けれど。
今の人間の生活は、
彼らの生きる地を奪い、どんどん生き難くさせています。
だから
「私たちにできることから始めてみよう」
とナレーションで語りかけるわけですが。
ちょっと唐突に感じたのも事実です。
遠い北極で生きているクマのためにできること・・・。
想像力がいりますね、正直なところ。

全編を通して一番感じたのは、
母の愛情の強さです。
体重が半分に減っても授乳を続けるクマ。
ヒレを海に打ち付けて自分の位置を知らせるクジラ。
身体を張って子どもを守り、子孫を残していく。
やっぱり、母は偉大だな〜。
『sicko シッコ』
2007年09月13日(木) 14:26
シッコ

必死の呼びかけ  ちびちび的プチ評
  恐ろしい世界だけれど、近未来の日本の医療の姿かも。

製作年 : 2007年
製作国 : アメリカ
配給  : ギャガ・コミュニケーションズ、博報堂DYメディアパートナーズ
監督・脚本・製作:マイケル・ムーア

訳分からん! あらすじ:
医療保障の破滅によって崩壊し、粉々にされ、場合によっては絶たれてしまったごく普通のアメリカ人数名のプロファイルで幕をあける本作は、その危機的状況が、4700万人の無保険の市民たちだけでなく、官僚形式主義によってしばしば締め付けられながらも保険料を律儀に支払っている、その他数百万人の市民たちにも影響を及ぼしていることを明らかにする。いかにしてこれほどの混乱状態になったのか、それだけを述べた後、観客はすぐに世界へ連れ出される。カナダ、イギリス、フランスといった国を訪れるのだが、それらの国々では、国民全員が無料医療という恩恵を受けているのだ。またムーアは、9・11事件の英雄の一団を集結させる。彼らは、アメリカにおいて医学的治療を拒否され、今も衰弱性疾患に苦しむ救助隊員たちであった…。(goo映画より)


テロより怖い医療問題!とのコピーでしたが、
ホントにその通り!
唖然呆然な話から、涙を誘う話、驚くばかりの内容でした。

健康保険に加入していないため、
怪我した膝を自分で縫う男性の姿から映画は始まります。
が、この映画で描かれるのは、
彼のような無保険の人ではなく、
保険に加入しているにも関わらず、
保険がカバーされなかった人たちの悲劇です。

具合が悪くて病院に行って、
診断が出て、治療方針を示されて。
なのになぜ、保険会社がそれを「拒否」できるのか。
無知なちびちびには訳が分かりません。
おまけに、拒否件数のノルマがあって、
高率の医師にはボーナスが支給される!

あら、こんな話、最近聞きましたね。
こちらは生活保護の件数でしたが。

国民皆保険のような全体で助け合うシステムは、
社会主義のやり方だという政府のプロパガンダ。
反共が染み付いた人々には
これこそ恐怖のシステムに映るのでしょう。
でも。
同じ資本主義社会でありながら、
手厚い医療制度がある国もあります。
カナダ、イギリス、フランスを取材して、
病院に行って、「お金を払わなくていい」ということ、
医師を自由に選べるということ、
一日のほとんどを待ち時間に使うなんてないということ。
アメリカ政府がことあるごとに叩き潰してきたシステムが、
きちんと機能し、住民を助けている様子を目にして、

「I'm comfuse!」

と叫ぶムーア監督は笑われっぱなしです。

実際には、
カナダは長年、予算不足が続いていて、
今のシステムを継続できるか問題は多い。
キューバでは予防医学に重点をおいているので、
重篤な状態になってから病院に来る→高額な医療費がかかる、
という悪循環を防ぐ手立てになっている。
などなど、
映画では「省略されている」部分もあります。
世界中で一番、医療技術が進んでいるのはアメリカでしょうし。

でも、これが、ムーア監督の編集方針なのでしょう。
前作の『華氏911』のような「声高に!」ではなくても、
監督自身の主義主張を訴える映画ではあります。
ただその手法が違うというだけ。

今回の映画では、
監督と立場を異にする人たちへの突撃インタビューはありません。
(キューバの米軍基地には行ってますが)
代わりに、保険を拒否され、
金額の多寡でどの指をつなぐか選択をせまられた人、
家を手放し、娘夫婦宅の物置に住むことになった人、
保険会社がいちゃもんをつけている間に娘を亡くした人、
そういった人々の声を紹介することで、
観る者に訴えかけます。

「野菜をとろう! 運動しよう!」

「そして、一緒に立ち上がろう!」

うんうん。
観ているだけじゃ、ダメなんだ。
政治家に騙された〜と言ってるだけじゃ、ダメなんだ。
行き過ぎた市場原理では、救われない。
社会保障を自分たちで考える。
企業にとって有利なことだけでなく、
事実を伝えてくれるジャーナリズムも必要だ。
いろいろ考える第一歩として、秀作だと思います。

にしても。
フランスの医療システムだけでなく、
子育て支援システムには感動しました。
週に何度かヘルパーがやってきて、
子守りだけでなく、買出し、洗濯、夕飯まで作ってくれる。
おかげでお母さんは自分の用事をすることができる。
子どもが小さいうちは美容院にも行けない
なんていう日本とは、なんて違いなんでしょ!
先進国中でも出生率が上がっている理由は、
この辺にあるのでしょうね。

アメリカだけが「うちゅくしい国」だと思っていたら、
日本の未来は大変なことになりますでよ、ホントに。
と、思ってたらご本人がトンズラしちゃいましたね。
アメリカとの約束が守れそうにないからやめるだなんて、
お坊ちゃまくん、あんたはどこの国のひとなんだ?
『100万ドルのホームランボール 捕った!盗られた!訴えた!』
2007年07月05日(木) 23:29
『100万ドルのホームランボール 捕った!盗られた!訴えた!』

疑惑のシーン ちびちび的プチ評
  ニヤリ→アハハときて呆れ果てる話です。

製作年 : 2004年
製作国 : アメリカ
配給  : ファントム・フィルム
監督・脚本:マイケル・ウラノヴィックス
出演  : アレックス・ポポフ、パトリック・ハヤシ、バリー・ボンズ

ハヤシが捕った? あらすじ:
2001年10月7日、サンフランシスコ・ジャイアンツのボンズが、年間最多ホームラン記録となる73本目のホームランを打った。その少し前、ホームランボールに破格の値段が付くと予想されて外野席は異常な熱気に包まれていた。高々と上がったボールを、一人の男がキャッチしたかに見えたが、大勢の観客が殺到。やがて男がボールを差し出した。しかし、キャッチしたのは自分で、そのボールは無理やり奪われたと訴える男が現れた…。(goo映画より)


大リーグ記録となったホームラン・ボールをめぐって、
二人の男のばかげた争いの顛末を追った
ドキュメンタリー映画です。

2001年10月7日、
サンフランシスコ・ジャイアンツのバリー・ボンズが打った、
73本目のホームランが事件の発端です。
これは年間最多ホームラン記録となるもので、
売れば高値がつくことが予想されていました。
一攫千金を狙って、球場は大興奮!

ホームラン・ボールを「とった」のは、
パトリック・ハヤシという日系人の男性。
カメラに向かってボールを差し出し、ニッコリ。
すぐに関係者に護衛されながら別室へと連れて行かれます。
が、ここで事件発生!
「ボールをキャッチしたのはオレだ」
と言い出した男性がいたのです。
彼の名は、アレックス・ポポフ。
2人が権利を主張して譲らなかったため、
ことは裁判に持ち込まれるのです。
映画では当事者2人と、目撃者、記者、
そして裁判を担当した裁判官のインタビューでまとめられています。

この事件について、まったく知らなかったちびちびは、
映画を観ながらビミョーな心境に陥りました。

前半では、
「あいつはオレからボールを盗んだ」
と主張するポポフと、
現場の目撃者の話を紹介。
ボールを奪わんと、ハヤシが少年に噛み付いたシーンなど、
ポポフ寄りの話が大半です。
ここで、思ってしまうのです。

「うげ〜。ハヤシってあくどいなぁ。そこまでするか?」

でも、中盤で攻守が入れ替わってからは。

「やっぱ、あのポポフって、ヘンだよ。あいつの仕込みだわよ」

そして、迎えた判決の日。
裁判官の言葉に一喜一憂する2人の表情が、
非常に印象的です。
加えて、裁判官の呆れ果てた様子は、
こちら側の気持ちを代弁してくれるようでもありました。

監督は、あえてこういう編集にしたのでしょうが、
一方的な情報だけを知らされると、
人は簡単に騙されてしまいます。
そして「犯人」扱いが始まり、
そこから抜け出せなくなってしまいそう・・・。
もちろん、途中から、
ハヤシを支持する証言も紹介されているので、
最初に感じた「ハヤシ=悪いやつ」という印象は消えましたが、
それでも。
「情報統制」の怖さを感じたのでした。

この裁判は、ホントに呆れるばかりの展開で、
一時、アメリカでは話題を独占していたのだとか。
2001年といえば、
同時多発テロ、アフガン侵攻があった頃です。
「そんなことやってる場合か」と憤る声もありました。
でも、映画はまだ終わらない。
裁判を受けて開かれたオークションと、
その後の2人の対照的な人生。
はぁ〜、まったく。
と、思ったところで、
またもやこちらの気持ちを察したような台詞がでてきます。

「こいつは、ただのケンカ好きか?」

××さんにはぜひ、アナウンサー氏の自宅へ伺って、
パパのお話を聞いて欲しい。
と、最後に大笑いさせられました。


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