2008年01月22日(火) 00:15
![]() | 「いい家」が欲しい。 改訂2版 松井 修三 ちびちび的プチ評: ![]() ![]()
「シロウト」だからこそ、勉強が必要なんだな〜と納得。 創英社 2007-02 売り上げランキング : 7014 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
お風呂のリフォームに際して、
いろんな本を読みました。その中の一冊です。
「いい家」とは何か。
松井さんによるとそれは、「住み心地」に求められる。
それは「木造軸組」「外断熱」「ソーラーサーキットによる換気」で
可能になる、との主張です。
工法の話は、
はっきり言って・・・よく分かりませんでした。
他社の工法はケチョンケチョンにけなされ、
内断熱によって起こる不具合の記述などは、かなり怖いです。
ただ、分からないから業者にお任せ〜にしちゃうと、
後から困るのは自分です。
「一番高い買い物だもの〜、もっとワガママになっていいんじゃない?」
という声が聞こえてきそうですが、
「お試し」ができないからこそワガママ言うだけでなく、
発注する側も勉強しなくちゃね。
そう思わせてくれた本でした。
ただ。
松井さんの仰る通りに家を建てようとすると、
かなりのお金持ちじゃないと無理な気がします。
生活の基本である「家」にこれだけお金がかかるというのは、
やっぱり、なんか、間違っている!
誰だって、住み心地よく、安全な家に住みたいですもん。
お金を持っていないと手に入れられないなんて、おかしい!
そんな憤りも感じたのでした。
2007年11月10日(土) 19:31
![]() | となり町戦争 三崎 亜記 ちびちび的プチ評: ![]() ![]()
想像力と読む力のいる物語です。 集英社 2004-12 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
主人公の「僕」こと北原修路は、
広報でとなり町との戦争が始まることを知ります。
ですが、火薬の匂いも、瓦礫の山も目にすることはありません。
それでも広報の「死亡者数」だけは増えていく。
そこへ役場からスパイの任命書が届き、
公務員の香西さんと偽装結婚をして
敵地で暮らすことになります。
少しも現実として感じ取れない戦争と、
まるで道路工事をするかのような役場の説明。
戦争の是非ではなく、
窓ガラスが割れたときの補償金を気にする住民。
妙に細かくて、でも意味をなさない役所の文章。
などなど、「僕」と周囲とのかみ合わなさが
とてもシニカルに描かれています。

何のために戦争を起こしたのかは
最後までまったくわかりません。
戦争は町の「事業」であり、活性化につながる、
という役所の説明だけです。
なんだかよく分からないうちに物事は進んでいて、
大事なことが決まっていき、
戦争の現実感はないけれど、
知らず知らずのうちに手は貸している。
こうしたことについて驚くほど無自覚だという辺り、
まるで今の日本じゃん
。
読んでいくうちに、
巷のテレビ・新聞・雑誌で目にする
様々なスローガンや
評論家がしたり顔で話す解説が、
薄っぺらで表面的なものに思えてきました。
それらは、この本の中にあるものと同じ、
現実感のない言葉だからです。
「戦争反対!」でもなく、
「愛する人を守るために戦う」でもない。
ありきたりの戦争物語とは、
ビミョーな距離感があるお話です。
2007年11月05日(月) 21:35
![]() | スポーツニュースは恐い―刷り込まれる〈日本人〉 (生活人新書 232) 森田 浩之 ちびちび的プチ評: ![]() ![]()
もうのんびりスポーツニュースは見れません。 日本放送出版協会 2007-09 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
スポーツニュースを見ていて、
「それで、結果はどうだったのよ?
」
と思うこと、ありませんか?
注目選手だけが紹介されて、
誰が優勝したのか、
昨日までトップだった人はどうなったのか分からない。
先日のメジャーリーグ・ワールドシリーズの取り上げ方も、
なんかヘンな感じ〜でしたね。
「日本人対決!」に矮小化されてる気がするのです。
いや、松坂くんも岡嶋くんも松井くんも頑張ってるんだけど。
すごく違和感をもってしまうのです。
オリンピックやワールドカップなどの際、
新聞もテレビも
「がんばれ、ニッポン!」
一色に染まってしまって、
それがなんだか暑苦しく感じるのは
ちびちびが日本人じゃなく外国人なせいだと思っていたのですが。
同じように感じてる人もいたのですね。
本書では、
スポーツニュースは「中間管理職のオヤジ」と
仮定されています。
女性選手に向けられる、オヤジ目線の無意識のセクハラ。
気配りが大事な中間管理職の役どころを押さえ、
謙虚と努力と積み重ねの話で感動のツボを押さえる。
そんなスポーツニュースを解読した話に、
「うん、うん!」
とうなずいちゃいました。
特に、スポーツニュースを
ジェンダーの切り口から評論したものは初めて読みました。
ちびちび自身、
サッカーの日本女子代表に冠された
「なでしこジャパン」や、
柔道の谷選手の出産・子育ての記事の扱い方に、
下世話でデリカシーがないな〜と感じていました。
女性選手が一人の「アスリート」として扱われないことが多くて、
ホントにイライラ・気持ち悪い。
そこをすっかりすくい取ってもらったような気がします。
スポーツニュースが盛り上げる
「国づくり」の様子については、
他国のメディア状況も紹介されています。
決して日本だけが特殊なわけではないのですが、
ステレオタイプな「日本人像」を
メディア自身が作り上げている、
という話は興味深かったです。
スポーツニュースへのリテラシーを訴えながら、
文章はやさしくて読みやすいです。
これをきっかけに、
「スポーツ」を伝えてくれるニュースが
増えてくれるといいんですけどね。
2007年09月10日(月) 13:20
![]() | サウスポー・キラー 水原 秀策 ちびちび的プチ評: ![]() ![]() ミステリーとしては不完全燃焼でした。 宝島社 2005-01-27 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
2004年、第3回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作です。
受賞時のタイトルは『スロウ・カーブ』。
うーん。
改題によって中身が分かりやすすぎちゃう気もします。
人気球団に入団して2年目の沢村投手に、
暴力団との癒着・八百長試合の疑惑が持ち上がります。
謹慎処分中に身の潔白を証明するため動き回り、
またまた暴力にあう。
ベテラン記者、球団のフロント、他球団へ移籍した先輩などなど、
「プロ野球」をめぐる様々な人物が登場します。
野球バカとは違い、
クールに理論的に野球をしている沢村は、
球団の中では異質な存在です。
誰かを貶めるようなことは言わず、
弱音ははかず、
怪我を隠して登板する。
まさしく、ハードボイルド好きな展開ですね。
不器用なオトコと、新人女優との恋愛
付きですし。
結局、沢村に持ち上がった疑惑と同じことが、
別の投手にもあったことが分かります。
そして周到に計画された陰謀が見えてきたとき、
登板を控えた沢村投手が拉致される。
野球しかない人生、
人気球団に居場所を求める人の意地。
チャンスを求める女優の策略。
特ダネを追う記者魂。
そして、歴史に残る名勝負!
その辺りは、プロスポーツの裏話のようで、
おもしろく読めました。
でもね〜。
ミステリーとしては、犯人が分かりやすすぎます。
だって、
「そこまでやったら、バレバレでしょう〜」
なんだもん。
ステレオタイプな人たちが登場して、
とってもベタな展開をする。
が。
でぶりんは分かんなかったらしい。
ミステリー好きのわりに、素直に読む人、でぶりん。
ちびちびがうがちすぎなのかな〜。
2007年09月03日(月) 21:32
![]() | 王様は裸だと言った子供はその後どうなったか (集英社新書 405B) 森 達也 ちびちび的プチ評: ![]() ![]()
鋭い指摘とユーモア。笑いながらも、ハッとさせられます。 集英社 2007-08 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
映画監督でドキュメンタリー作家の森達也さんが、
子どもの頃から気になっていたことは、
タイトルそのままズバリ、
「王様は裸だと言った子供」のその後だそうで。
「王様ったら裸だよ!だっておちんちんが見えてるよ!」
と言ってしまった翌日からが
森さんの創作です。
この子は自分と同じ「鈍い子」なのでは?
という切り込みから、現代社会を痛烈に皮肉ってあります。
他にも、
桃太郎や仮面ライダー、蜘蛛の糸にドン・キホーテと、
誰もがよく知っている物語がパロディ化されていて、
「毒
」たっぷりのお話がいっぱいです。
新橋の居酒屋でショッカーが
ホッピー飲みながら愚痴ってるなんて・・・アハハハハ!
一方で、首領は資金繰りに頭を悩ませてる。
でも笑い事ではないのです。
なんたって、
自爆装置を埋め込む手術を受けようとしているのですから。
お金のために。そして、愛する家族のために。
映画監督らしく、
カメラ位置の切り替えによって、
見える風景がまったく変わる。
ってことなんかも「お話」として示してくれています。
「知る権利」を振りかざし、
自らを「正義」としてしまうメディアの横暴さ。
一点集中のリスク・パラノイアによって、
他のことが目に入らなくなることの危険性。
などなど、
現代日本の抱える社会問題が、森さん流に料理されています。
が、実は森さんがこの本を書こうとしたきっかけは、
太宰治の『お伽草子』という本だったとのこと。
言論や表現への統制・検閲が
強化されつつあった時代に、
それでも太宰が表現しようとしたもの。
あの頃と似た空気が漂う今だからこそ、書いてみたい。
そんな思いがつまっています。
「戦後レジーム」からの脱却!
「うちゅくしい国」をちゅくろう!
と叫ぶおぼっちゃまに思考停止されそうだけれど、
現実を見る目は失っちゃなりませんね。
最近では、
「ボクちゃんは悪くないのに〜
」
と口がとんがってますが。








