2008年05月22日(木) 19:53
![]() | 満月の夜 古池で (角川文庫) 坂東 眞砂子 ちびちび的プチ評: ![]()
タイトルとは裏腹に、子ども向けのファンタジーです。 角川書店 2006-08 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
学校の課外授業で古池動物園にやってきた徹。
林の中で、
「満月の夜、古池で、俺たちは黒鳥になる」
という不思議な声を聞きます。
話していたのは、なんと、カラス。
その後、徹は何度もカラスに襲われ、
逃げ回ることになってしまいます。
おかあさんに話しても相手にしてもらえない。
唯一、助けてくれたおじいさんは殺されてしまい、
とうとう、徹自身がカラスに変えられてしまうのです。
なんとか人間に戻りたい!
でも、カラスの脳はたくさんのことを記憶できません。
だんだんとおかあさんの顔もぼやけてきて・・・。
タイトルからとってもホラーな印象をもっていたのですが、
いやはやとってもファンタジックなお話でした。
環境破壊や経済偏重、人間中心主義を、
動物たちが皮肉るわけで、
子どもでも楽しく読めそうです。
難しい漢字がないので、
徹と同世代の小学生くらいでも大丈夫かも。
オトナには、正直、物足りないかな。
2008年02月18日(月) 23:33
![]() | 女性の品格 (PHP新書) 坂東 眞理子 ちびちび的プチ評:
たいそうなタイトルに爆笑ものの中身です。 PHP研究所 2006-09-16 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
友人から「スゴイ内容らしいよ」と聞いていて、
ちょうど古本屋で見つけたので読んでみました。
1章の途中で挫折しました。
あまりにも・・・
。
まず、第一章の第一項。
「礼状をこまめに書く」
アハハハハ!
それが「女性」の「品格」なのか〜。
女性って大変だな〜。
他にも、電話のかけ方だの、記念日を大事にするだの、
はぁぁぁ
これが「女性」の「品格」か・・・、と思わずにはいられない。
というより、笑いが止まらない。
それは「ヒト」として、の話なのでは?
もしかして、次章からはも少しまともな話なのかなと思い、
第二章を読んでみました。
品格のある言葉というと、「・・・あそばせ」「ごきげんよう」(中略)
のような特別に丁寧な言葉を指すと誤解している人がいます。
いや、そんなヤツおらんでしょ!?
なぜこんな本がでるのか分からない。
なにより、
この人は読者として誰を想定していたのでしょう。
あとがきを見ると、
これから仕事をし、社会で生きていく女性たちの参考になれば、
という一文があります。
ということは、
女子高生や女子大生に向けての言葉なのかしらん。
ホントに坂東さんが思いを伝えたいと思うのなら。
新書で出版すること事態が違う気がします。
内輪で
「うんうん、そうだよね〜」
と言っているだけの本。
気の合う人だけで、うなずきあってください。
坂東さんといえば、
昨年末の紅白歌合戦に出演されていました。
ちびちびは、キョーレツな印象を持ちました。
だって、ものすごい、仁王立ち!!!
本には、
「背筋を伸ばして、姿勢よく」なんてことも書いてあります。
別に元公務員の大学のセンセに
「モデル立ち」しろとは言いませんが、
膝を開けて立つのは美しくないですよ〜。
2007年10月29日(月) 22:45
![]() | 世にも美しい数学入門 (ちくまプリマー新書) 藤原 正彦 小川 洋子 ちびちび的プチ評: ![]() ![]()
数学の見方が変わります。 筑摩書房 2005-04-06 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
数学者の藤原正彦さんと
作家の小川洋子さんの「数学」をめぐる対談です。
ちびちびにとって数学とは、
わけわからん学問
でしかありませんでした。
それを「美しい」と言われてもね〜
と思っていたのですが。
この本を読んで、少し変わりました。少しだけど。
つまり、
わけわからん学問でいいんだ
ということです。
26年前に失恋した彼女の家の床に口づけする人。
フェルマーの定理に魅せられ、一生を捧げて自殺した人。
「0」を発見した天才インド人。
古今東西の数学者のエピソードもちょこっと紹介されていて、
これが本当にドラマティックでおもしろいです。
音楽も美術も美しい芸術は、
数学の論理に裏打ちされていると聞いたことがあります。
藤原さんもそんな話をされていて、
美しい定理ほど何千年も残っていくものなのだとか。
定理に美しいとか醜いとかあるのか?
と小川さんも質問されていましたが、ちびちびも同感。
美への感性を高めることが、
数学の能力を磨くことにつながるなんて、
ちょっと意外でした。
数学はすぐに現実世界に役に立つものではない。
と、藤原さんは仰います。
これに「あれ?」とちびちびは思ったのですが、
すぐに気がつきました。
ちびちびがすり込まれているものは、
「読み書きそろばん」としての「計算」だったんです。
これは「数学」とは違うものなのですね。
高校までの授業は、
いかに学問の入口にあたるものなのか、
それがよく分かりました。
もちろん、数学に計算は不可欠で、
計算の好きな人でないと研究は続けられません。
でも、答えがあるかどうか分からない、
悪魔の研究にのめりこんでしまった人もたくさんいる。
それくらい、数学には魅力があるということなのでしょうが、
ちびちびには計算の才能がなくて良かった!
と思いました。
ちなみに。
この本は、読んで数学の勉強になるという本ではなさそうです。
苦手意識をなくしたり、
興味をもつにはいいかも。
2007年10月09日(火) 22:54
![]() | てのひらの闇 (文春文庫) 藤原 伊織 ちびちび的プチ評: ![]() ![]()
くたびれててもやることはやる。 これが「オトコ」のロマンなのでしょうねぇ。 文藝春秋 2002-11 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
大手飲料会社の宣伝課長・堀江は、
2週間後にリストラ退職の日を迎えます。
そんな彼に、会長の石崎から
じきじきにCM制作の命令が届く。
実は、20年前、
堀江の過去や出自に拘泥することなく、
会社に引き入れてくれたのが石崎会長だったのです。
CM素材として、
会長から渡された「感動的シーン」の8ミリビデオ。
これが精巧なCGであることを見抜いた堀江が
そのことを告げた夜、会長は自殺。
納得のいかない堀江は、
会長を死に追いやったのは何なのかを探ろうとする。
40度の熱を押して動き回る中年オヤジの堀江。
優秀な部下で人妻の大原。
ユニークな六本木のバーの姉弟。
堀江に協力的な人たちも魅力的ですが、
バブル後の企業の内幕もおもしろい。
すでに「部外者」となった堀江の眼からみているので、
冷めているのに割り切れない思いが
人間的深みになっています。
サラリーマンに向かない男が、
20年もサラリーマンをやってみて、
感謝と退屈とをもてあそぶ。
リストラの後、堀江はどうやって、
この抜け殻を処理するのかな〜。
気力を無くしたオヤジが、
ヨレヨレフラフラになりながら、やることはやる。
決めるとこは決める。
ハードボイルドお決まりのパターンではありますが、
大企業の論理と大人の純愛で、
飽きさせない展開でした。
2007年09月24日(月) 10:51
![]() | 生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891) 福岡 伸一 ちびちび的プチ評: ![]() ![]() ![]()
すんごいスリルでドッキドキ!文系の人でも十分読めます。 講談社 2007-05-18 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
書評などで話題だったこの本ですが、
理系全滅のちびちびには難しいだろうと
なかなか手が出せませんでした。
でも、思い切って読んでみたら。
すんごいおもしろい!!!
分子生物学というミクロの世界のお話が、
こんなにスリリングだとは思いませんでした。
遺伝子とかDNAとかゲノムとか言われると、
何がどう違うのかわかんなくなってしまう程度のちびちび。
それでも、十分ついていけました。
ただ、やっぱり一番、興味をひかれたのは、
世界初!の頂を目指して研究にあけくれる人たちの話です。
遺伝子の構造を明らかにしたい。
この願いのために、多くの人々が関わっていたのですが、
そこに起きる生臭い事件。
科学者だって人間だもん。
欲望と倫理に挟まれてしまうこともあるんですよね。
「世紀の大発見」は、
振り返ってみてそうだと分かるんであって、
当事者たちには、ただの実験結果でしかない。
あれとこれをどう結びつけるのか。
あと一歩、手を伸ばせば届くところにあるヒント。
この辺りの描写は、
下手な推理小説よりもドキドキさせられました。
この本のように、
「読ませる、読める科学の本」
は、なかなかないように思います。
それがどんだけおもしろい話でも、
専門用語を駆使して書かれたら、ちびちびにはお手上げ。
後半に入って、ちょっと難しい話が増えますが、
でも、福岡さんは、例え話が上手。
だから読んでいけるのです。
流動的で繊細な命のダイナミックさは、
砂上の楼閣に例えられます。
次々に砂が積み上げられ、吹き飛ばされていく。
構成する要素の全てが動いていながら、
形としては姿が変わらない。
ですから、半年ぶりに会った人に、
「あら〜、お変わりないですね」
と言ったところで、細胞レベルで見れば、
その人の中身は、大いに変わっているのだとか。
また、遺伝子構造に手を加えたノックアウト・マウスが、
すくすくと成長していく姿は、
テレビの基盤に例えられています。
一つの部品を壊したはずなのに、
相変わらず、鮮明な画像のテレビ。・・・なぜ?
研究者としての福岡さんの熱意と、
人間としての疑問と驚愕。
「見たこともない世界」の話なのに、
とても理解できる気がします。
生命とはなにか?
どれだけ科学が進んだところで、
生命のもつ繊細かつ柔軟な動きにはついていけない。
しかもそれは「私」の身体の中で起こっている。
なんだか「青い鳥」の物語みたいでした。








