人生万事塞翁が馬。 でも、なんだかこんがらがってしまうことが多い日々。
           
長嶋有『パラレル』
2008年03月13日(木) 21:15
パラレル (文春文庫 な 47-3)パラレル (文春文庫 な 47-3)
長嶋 有

 ちびちび的プチ評
  これが現代の「男」の姿なのかと思うと、ちと悲しい。

文藝春秋 2007-06
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勤めていたゲーム会社を辞め、
妻とも離婚したばかりの「僕」。
別れても妻とは仲良しで、
メールを送りあい、近況を報告する。
そして、プレイボーイの友人・津田と、
その周囲にいる女性たち。
「僕」の目線から、
男女の恋愛行動と仕事に対する意識の違いなんかが
語られていきます。

男女の違いについては、
火星人と金星人だとか、地図を読めないだとか、話を聞かないだとか、
いろんな本がでています。
この辺りを踏まえて本書を読むと、
うなずけるところがあっておもしろいかもしれません。

ただ。
この、「僕」が。
ちびちびには辛気臭くてたまらない。

なんできみはそんなに傍観者やねん!!!

と、思ってしまいます。
自分のことなのに、なんだか現実感のない主人公。
もっと怒ろうよ〜。もっとジタバタしようよ〜。
発する言葉だけが上滑りしているようで、
とっても「届かない」感じがするのです。
クールなのがカッコいいのかしらん。
理解できないのは、ちびちびが女だからか?

対して、津田くんはとてもエネルギッシュです。
妻だって、言いたいことを一所懸命伝えようとはしています。
まぁそれでも、
人間、心の奥底に思っていることなんて伝えきれないのですが。
その「伝わらない」もどかしさは、
充分に感じられました。


中美恵『キレイになるマクロビ教室 食べるエステ』
2008年03月08日(土) 23:56
中美恵のキレイになるマクロビ教室 食べるエステ中美恵のキレイになるマクロビ教室 食べるエステ
中 美恵 中 広行

 ちびちび的プチ評
  レシピは少ないですが、きっかけ本にはいいかも。

講談社 2007-06-01
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今年に入ってから、どうにも体調がすぐれません。
古傷は痛むし、風邪は引くし、花粉症は重症だし。
外出ができないので、
涙であかない目をこじ開けながら、
ネットで体質改善のサイトを見て回っていました。
とにかく内側の冷えをとることが大事なんだな〜と思って、
ふと、思い出しました。

友人のエスパー子の勤め先で大流行中なのが、
マクロビオティックのお食事という話です。
これでマイナス6.5キロの減量に成功した、という人もいるとか。
人間の身体を作る基→食事ですから、
充分うなずける話です。

で、気になって手に取った本がこちらの本でした。
一行目の文章が・・・

 あなたのカラダはあなたが毎日食べたものでできあがっているのです。

ドキ〜ッ!!!
これまでワタクシ、
何度もダイエットして体重を落としては、
リバウンドの繰り返し。
ストレスで食い気に走るちびちびは、
食事が何よりも大事ということを「カラダ」で知っています。
だって、
外食とジャンクフードを止めただけで、
体重は落ちますもん。
あ、でも、今の興味は体重よりも体質なんですけどね。
花粉が飛び始める前に始めるべきでした・・・。

マクロビオティックとは、
 マクロ:大きな
 ビオス:命・生命
 ティック:学問・方法
という3つの語からできています。

ほかの動植物の命をいただいて、
身体をつくり、生命を維持している私たち。
そして自然のリズムとのつながり。
そうしたことを深くふか〜く感じられる本です。

レシピは少ないですが、
野菜との付き合い方、陰陽の取り入れ方など、
基本的な考え方は、よく分かります。
ここに掲載されていた「あまい野菜スープ」を
最近は朝食に飲んでいます。
身体に染み込んでいく感じで、おいしいですよ。



長嶋有『猛スピードで母は』
2008年02月19日(火) 23:42
猛スピードで母は猛スピードで母は
長嶋 有

 ちびちび的プチ評
  とてもシンプルなお話です。

文藝春秋 2002-02
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第92回文學界新人賞を受賞した「サイドカーに犬」と、
第126回芥川賞を受賞した表題作が収録されています。
ちびちびが読みたかったのは、
映画化された「サイドカー・・・」ではなく、
「猛スピード・・・」の方でした。

うん。思っていた通り、とてもすっきりした流れで、
子どもの目から見たオトナの姿が、
誇張もなく、装飾もなく、素直に描かれています。

「サイドカー・・・」は、
突如、家出した母に代わってやってきた、
父の愛人・洋子さんと薫の一夏の物語。
そして「猛スピード・・・」は、
離婚して北海道で母と暮らすことになった慎の物語です。

この、ニ作品。
男女の違いはあるけれど、
どちらも主人公は小学生で、無口で出不精。
一方、洋子さんと慎の母は、
どちらも「管理」教育とはほど遠い奔放な女性。
だからよけいに際立つのが、
子どもが受け身な存在であるということ。
親の都合で振り回される立場でありながら、
そのことが淡々と綴られています。

オトナや他人との距離感や、一歩引いた現実感。
これって、村上春樹さんの小説を彷彿とさせます。
ちびちびは村上作品の、
話が進んでるんだか進んでないんだか、
主人公がやるんだかやらないんだか、
同じところをグルグル・グジグジ回っているようなところが
どーしても好みに合わないのですが。
好きな人にはツボなのでしょうね。
乃南アサ『涙』
2008年01月04日(金) 21:54
涙
乃南 アサ

 ちびちび的プチ評
  1960年代の風俗を知りたい方にはオススメ。
幻冬舎 2000-11
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東京オリンピック開会式の前日、
「ごめん。もう、会えない」という電話一本で、
婚約者の勝に振られてしまった萄子。
まもなく、勝の先輩・韮山の娘・洋子が殺される事件が発生し、
その犯人として勝が追われていることを知る。

「あの、正義感の強い人が?」
それが萄子の疑問の始まりです。
勝を探して、
川崎のドヤ街、熱海の温泉、焼津の港、
そして当時はまだ「外国」だった沖縄へ・・・。

お金持ちのお嬢様だった萄子は、
旅を通して様々な人と出会います。
警察官だった韮山の鋭い視線。
中学を卒業すれば芸者修行を始めるという少女の境遇。
炭鉱町に生きる人の意地。
自分とは遠く隔たったような人たちにも「人生」がある。
その想像力がつくにつれ、
萄子自身も少しずつ変わっていきます。

1960年代の日本を舞台にしているので、
オリンピックはもちろん、ビートルズの来日やベ平連といった
数々の出来事や風俗が登場します。
その辺りがでも、
絶望している萄子の状況とあんまりリンクしないので、
ただ通り過ぎていってしまうのですが。

萄子のなが〜いなが〜い旅と
「絶対、諦めない!」という執念のわりに、
あっさり再会してしまうので
「あれれ?」となりました。

こんなヤツ、おらんやろ〜!?

というツッコミなしで読めるかな・・・?
乃南アサ『紫蘭の花嫁』
2007年11月12日(月) 21:46
紫蘭の花嫁 (文春文庫)紫蘭の花嫁 (文春文庫)
乃南 アサ


 ちびちび的プチ評
  ラストの恐ろしさは秀逸です。
文藝春秋 2000-11
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ちびちびが初めて読んだ乃南作品が、
この本でした。
これ以降はまちゃって、一時期、読み続けてたな〜。
なんて思い出しながら再読しました。

花屋で働く三田村夏季は、
執拗に追う男から逃げるために、転々としています。
一方で、
神奈川県下で発生した連続婦女暴行殺人事件を担当する、
エリート警察官の小田垣と、
彼に近付こうとする美女・摩衣子。
3人それぞれの過去・現在の物語に、
犯人の物語が挿入されながらストーリーは展開していきます。

夏季を追う男も謎で不吉な感じなのですが、
犯人の子ども時代も不気味。
で、これが実は・・・と、どんでん返しが待っていて、
読み応えのあるサスペンスです。
な割りに、犯人逮捕!の瞬間は意外とあっけなくて、
ちょっとご都合主義な感じもあったのですが。
いやいや、
それはクライマックスの前の静けさだったのだな〜。
ひょえ〜となる結末が待っています。

それにしても、蘭っていろんな種類があるんですね。
小田垣行きつけのスナックに勤める摩衣子は、
彼の気を引くためにいつも工夫を凝らしているんです。
蘭の模様のドレスを着たり、
アップにした髪に蘭の花を挿したり。
いったいどんな花なのかな〜とネットで探してみました。

ここ↓のHPにいろんな蘭が紹介されています。
世界のラン科植物:http://cosmos.cool.ne.jp/Orchid/index.htm


可憐なのから、妖しい感じのまで、
摩衣子がどういうつもりでその花を選んでいたのか。
想像しながら読むのもおもしろいですよ。

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